NHISS 項目1:意識の評価
NHISSの最初に評価する意識の評価から見ていきましょう。
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意識の評価といえば、JCS(Japan Coma Scale)やGCS(Glasgow Coma Scale)が一般的ですが、NIHSSは以下の3つの項目で評価していきます
1a:意識水準
□:0完全覚醒
□:1簡単な刺激で覚醒
□:2繰り返し刺激、強い刺激で覚醒
□:3完全に無反応
ここでは、患者さんに聞こえる声で声かけをしながら反応をみていきます。声かけに反応があれば「0」という判断になります。ここでいう反応というのは、「開眼している」「声に返答が可能」ということです。
失語がみられる患者さんは、声かけに反応できない可能性も念頭におくと判断に迷いがないかもしれないません。
2a:意識障害ー質問(今月の月名および年齢)
□:0両方正解
□:1片方正解
□:2両方不正解
「今日は何月がわかりますか」と「お歳を教えてください」と質問します。
失語や意識障害のため答えられない可能性もあります。誤答ということもありますが、認知症がある可能性もあります。現状をそのまま評価することを意識しましょう。
3a:意識障害ー従命(開閉眼、「手を握る・開く」)
□:0両方正解
□:1片方正解
□:2両方不正解
声かけによる従命を評価することで言語の理解度も評価できます。運動性の失語なのか、意識障害が重度なのか、集中力がないのか、それとも機能的に不可能なのかなど様々な原因があることも念頭に置きながら評価してみると看護ケアにつながります。
ここから考えられる看護ケア
は何でしょうか。
患者さんが1aで「1」または「2」である場合、意識が清明でないと判断できます。
患者さんが自分の意思を伝えられない、正確な判断ができない、あるいは意識が混乱いわゆる見当識障害の状態である可能性があると看護診断できます。
・脳への損傷が中等度以上なのか
・外傷による一過性によるもの
・危機的状態に陥る可能性
・従来の認知機能はどうなのか
などからアセスメントしていきましょう。
これらのことから、今後の方針をどうやって決めていくのかといったことも看護介入の準備をしていきたいですね。家族背景だったり、意思の代弁者はいるのかなど配慮していくことも考えていけるといいですね。
さらに注意する点は、今後意識レベルが低下する可能性も考えられるため、脳圧亢進症状も併せて観察していくことで、NHISSで評価している途中での急変を予防できます。こういう場合は直ちに報告しましょう。
意識以外におけるその他の症状と合わせて観察することで、さらにアセスメントから見える看護ケアがみえてきます。
今回はここまで。
NHISSの知識・スキルを磨きたい方はこちらをご参照なさってください。
日本救急医学会と日本神経救急医学会の合同ISLS開発委員会によるISLS(Immediate Stroke Life Support 神経救急蘇生)の講習会です。
お読みくださりありがとうございました。
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